スピーディーな個人事業主・対・意思決定だけで時間がとられる組織

【お知らせ】

これまでのブログ「住んでみた日本の最北」は更新を終了し、キックスタート!ページのブログに移行することにしました。(正直ネタ切れ状態だった……)ただ稚内生活のさまざまなことがについて記しましたので、もちろん残留はさせます。

 

【本文】

キックスタート!の内部改修の作業の速さには、代表(オーナー)の私も驚いています。ここから見えることについて書きたいと思います。

 

この仕事人の方々は、管理人のビジネスパートナーが委託した方々で、皆さん個人事業主です。それぞれの特技を生かして、その分野の作業をしていただいております。

 

現地滞在中、そのビジネスパートナーの方も交えて改修方針について話をしました。「畳は全部除去して、フローリングに入れ替え、色は今の廊下のダークブラウンとする」との方向性を口頭で示しました。すると、まぁ、何とも迅速に畳の撤去・フローリング化が進んだことか!

 

これが組織だと、まずは、企画書を作って、見積もりを出してもらって、〇〇会議にかけて、そこで思い付きで文句を言う人がいるので、そのために修正案を作成し、再び〇〇会議で承認され、ようやく発注……という感じになりそうです。これだけで数週間はかかりそう……

 

この物件は私の所有物で、改修費用ももちろん全部私が出しますので、私さえ決めれば、そしてそれに技術的に問題がなければすぐに動き出すという、スピード感。私の所属する組織とも全く違うことに感動を覚えています。

 

意思決定は私だけ。単に意思決定だけのために膨大な時間と労力を浪費しなければならない組織は本当に嫌になってきました。

 

本来組織とは、個人ではできないことをするためのもの。しかし、これだけネットが発達し、個人事業主でもさまざまなものが調達できるようになってきました。例えばこのホームページ、独自ドメインを取得しましたが、これもかなり安価で、しかもスピーディーでした。

 

発信ためのツール、Facebook、Youtubeなども発達し、別に組織に属してなくても、誰でも発信可能に。WeLoveWakkanaiも私が思いついて、写真を集めて、アウトラインを作って、それを動画編集者に渡せば、ももの数日で完成!これも組織だと、企画書を作って、〇〇会議で……(以下略)

 

このため、意思決定に時間と労力がとられる組織のディスアドバンテージが逆にますます増大しているように思われます。

 

もともとアダム・スミスの国富論の念頭にあったのが、自営経済から、〇〇屋さんという個人事業・家族事業が増えて分業が発生したため、相互にモノやサービスを交換するためのものとして通貨(交換価値)が発達したということ。

 

そして産業化・工業化が発生し、工場で大量に人を集めて工業製品を生産する必要性が出てきたため、組織が生まれ、「資本家」と「労働者階級」が誕生。そして、すべての私有財産を国有とする社会主義が発生し、国民全体を組織化し、思想統制にまで至る……

 

確かにこうした社会主義的な手法は、資本集約型・労働集約型を前提とする経済では機能したのでしょうが、それらを必要とするインフラ整備がある程度終了すると、一気に機能不全に陥り、旧ソ連・東欧の社会主義体制は崩壊。

 

これは何も資本主義の勝利というよりは、国民を高度に組織化して、組織の一員として自由を抑圧することが人間の本質に合致していないことの証明でしょう。となると、今の日本企業も「社員を組織化して、自由を抑圧」という意味では社会主義体制とさほど変わらないのかもしれません。

 

その限界から、今の官製の「働き方改革」に至っているのでしょうが、単なる労働時間の減少という表面的なことではなく、「組織の限界」というところに本質があるのではないかと思っています。

 

優秀な人は自分の能力で起業できますし、本当にそれがやりやすい環境になってきました。要は組織には、組織外では自立できない能力の低い人間がしがみつく場になっているようにも思うのです。以前留学生から「なぜ仕事ができるのに日本企業では給料が変わらないのか?」と聞かれて、「確かに」と思ったところです。

 

以前はポスト配分で、報奨してきたのでしょうが、それだけの人は外に出てもやっていけるわけで、優秀な人をつなぎとめるためには、給料も含めての報奨が必要なのでしょうが、そうすると能力のない人々が徒党を組んで(組合等)反対するのでしょう。

 

ということで、仕事人たちの素晴らしいスピード感を持った仕事ぶりから、ここまで考えてしまいました。