我らがセコマ(コンビニ)がナンバーワン! 何が?

本日の日経に「人口当たりコンビニ数」という記事があり、北海道が1位であるというものがありました。10万人あたりのコンビニ店舗数が北海道では56.78と全国で最も高いのです! これは記事にもありますように、セコマ(北海道地盤のコンビニ)が、商圏人口の小さい地域にも多数出展しているからです。

 

実際、北海道を旅行すると、どんな小さな自治体にもセコマがあります。そうしたところはスーパーがない、またはあっても小型であるところが多く、まさに記事にもあるように「小型スーパーの役割を持たせている」ためです。すなわち、そうした過疎地におけるなくてはならない商業施設の役割を果たしています。

 

セコマといえば、2018年9月の北海道地震の際のブラックアウト(全道停電)時において、車のエンジンを起動させ、そこから電源ケーブルでレジに接続して稼働させ、停電時でも商品を売ったということがありました。また店内調理の「ホットシェフ」がガス窯でお米を炊いていたため、これも停電時にお米を炊くことができ、温かいおにぎりを提供したことなどで、「神対応」と言われました。

 

この文脈でいうと、北海道のどんな過疎地でも出店していること自体、まさに「神対応」というべきかもしれません。

またセブンイレブンに端を発して、コンビニの24時間営業の是非が問われています。これについてセブンイレブンは「24時間を前提としたシステムだから、無理」といった趣旨の見解を有しているようですが、私自身は、これを「はぁ?」と思いました。

 

なぜならセコマの多くの店舗、とりわけ過疎地の店舗が24時間営業ではないからです。稚内の例をあげると、稚内市内にセコマは18店舗ありますが、24時間営業は4店舗のみです。南の豊富町には2店舗ありますが、24時間営業はゼロ、西の猿払村には1店舗ありますが、これも24時間営業はせず、また南の天塩町にも2店舗ありますが、これも24時間営業はゼロ、となっています。

 

(ちなみに、最北端の稚内市ですが、コンビニはセコマ以外にはありません。羽幌や名寄にはセブンイレブンがあるのですが、それより北はありません。おそらくは配送網の関係でしょうか?)

 

これでセコマは十分に成立しているのですから、24時間営業に固執するセブンイレブンの論理がよく分かりません。

あと前述の「ホットシェフ」ですが、これはセコマの店内調理の総称です。セコマ以外の店内調理というと、せいぜい冷凍のフライドチキンを揚げる、といったものですが、これも前述の通り、ガス窯でお米を炊いて、おにぎりはもちろん、カツ丼などの商品が販売されています。最近では店内で焼いたパンを提供する店もあります。

 

何を隠そう、私はこのホットシェフの大ファンで、とくにカツ丼は絶品です! 時間のないときにも助かります! 私はこれまでこのカツ丼を一体、何回食べたことでしょう? 特に車社会の稚内では店舗で買って、そのまま車の中で食べるということも可能です。名古屋にも出店してくれないかな~と夢想しております(笑)

 

この数字が示すのは、「利益が出ないから」とあきらめるのではなく、与えられた状況の中で「利益が出るシステムづくり」が重要ということでしょう。いみじくも宅急便の創始者である小倉昌男氏は「サービスが先、利益が後」をスローガンに宅急便を構築、結果として莫大な利益がもたらされることになりました。また社内で反対のあった過疎地での展開も進めました。これによって稚内などの北海道、ひいては全国の過疎地の生活がどれだけ豊かなものになったか。これと同様に北海道、とりわけ過疎地の日常生活はセコマなしでは考えられないというべきでしょう。(私の稚内での日常生活もそうですが)

 

この小さな記事からも、セコマのすごさ、そしてその「すごさ」の根底にあるビジネスモデル、そしてそれの土台となる経営理念の重要性を知ることができます。私は個人事業主として、規模としては比較にはならないのですが、こうした優れた経営から少しでも勉強したいと思います。