祝2周年! 二地域居住開始と稚内市下勇知の拙宅

今日からちょうど2年前の2017年9月19日に、今の北海道稚内市下勇知地区の拙宅を借り始め、二地域居住を始めました。自分の中では「9月19日」はこの家の入居記念日と位置付けています。

 

この家は稚内市の所有物で、賃貸借契約に基づいて、毎月の家賃を支払う形となっています。実はその家賃は何と月額約18500円です。一軒家であり、間取り的には3LDKです。1階にリビングと一部屋、2階に二部屋となっています。この「一軒家」に一人で住んでいるのですから、贅沢なものです。

 

破格の家賃ですが、これは①下勇知地区という稚内市街から約30分はかかる場所、②行政による賃貸のため利益が上乗せされていない(年額家賃が資産価値の10%分という算出根拠がある)ことが理由にあると思われます。

なお、3年に一度契約価格が改訂されます。ちなみに初年度がその3年の3年目だったので、昨年度契約を更新しましたところ、家賃は下落しました。これは築年数が経過するため、建物の資産価値が減少することと連動するためです。

 

では「なぜ稚内市の所有物を」ということですが、この地区にはかつて小中学校(規模が小さいため併設)があり、その周辺には教員用の住宅が6棟あります。一軒家が4棟、2階建てが2棟です。この旧教員住宅が普通の住宅に転用されているわけです。行政としても、そのまま放置するよりは貸し出して家賃収入があったほうがいいですよね。

 

なお、一軒家の4棟のうちの2棟が、稚内市が運営する「移住体験住宅」となっています。これは、移住を検討している方向けに、1週間以上1か月以内の期間、格安で貸し出して、居住体験ができるものです。

実は私は、仕事に行き詰まりを感じた2016年、かつて何回も旅行に訪れていた稚内に「移住でもしようか」と思い、何気にネットで「稚内 移住」と出てきたところ、この移住体験住宅が見つかりました。「これだ!」と思ってすぐに申し込みました。そして、今の我が家の道路を挟んで向かい側の一軒家に一週間滞在し、本当に快適に過ごすことができました。

 

それで2017年の8月には2週間、再びその家で過ごしました。これも本当によかったため、たまたま市役所の方と「定期的に住むための一軒家、ありませんか?」という話をしたところ、たまたま今の家が空いていたということで、契約に至りました。

 

ちなみに、この家では2017年6月ごろまで、ある移住者の方がパン屋さんをやっておられたのですが、帰ってしまったそうです。もしこの方がそのままいらっしゃったら、おそらくは今のようになってはいないところ、何事も、偶然なのか、必然なのか、といったところでしょうか。

 

私は本当にこの家が大好きなのです。まず、この写真のように、大きな窓からは裏の山の木々や草が見えます。朝起きて、カーテンを開けた瞬間にこれが見えるのですから、本当に素晴らしいです。一日の最初に「なんて美しい景色」という感情を持つことは、都会では絶対にありえません。

冬は木の葉がすべて散って、丸裸となり、地面には雪が積もって、これもまた美しいのです。なお、「冬は寒いのでは?」と思われるかもしれませんが、屋内は強力な灯油ストーブのため、実に暖かくて快適です。外が吹雪いているのを見ながら、暖かい部屋で冷たいビールを飲むというのが、また格別なのです(笑)

 

あと、私はずっと団地やマンション暮らしだったのですが、初めて一軒家に住んでみると、「一軒家の生活はこんなに素晴らしいのか!」と思いました。細かいことですが、買い物をして重いものを持って帰ってきても、エレベーターや階段をつかわずに、車から玄関まで一瞬で持ち運べることは、すばらしいです。

 

あと、当然ですが家が地面と直接結びついていることから、「土地と結びついて暮らしている」という感覚になるのです。天空の城ラピュタで、シータがムスカに向かって「土から離れて生きられないのよ!」と言い放つセリフの意味がよく分かるような気がします(笑)

 

またこの地では、このように大空と大地が結びついた景色を見ることが度々あります。この地にいると、人間と大空・大地の結びつきを確認できるような気がしており、だからこそ「癒される」「落ち着く」といった気持になるのでしょうか。逆にその結びつきが断たれてしまうと、いろいろな不幸なことが起きるような気もしております。

 

いろいろな偶然が重なって、この家に住むことができるようなり、この2周年を迎えることができました。大好きなこの家と、そしてこの家に住むことができるようになった、さまざまな偶然や出会いに深く感謝しています。